個展8日目

今日はとても良い日でした。

ガス橋の方からCOYAMAさんへ向かってみることにした。

夜に通った時に、上の灯りだけ色が違うことに感動した下丸子商店会の街灯。

よく見ると、上だけ少し赤みがかっている。
どうやらカバーの色は同じで、灯りの色そのものが違うらしい。

こちらが先日の夜の街灯。
上の方がオレンジ色になっている。

ガス橋を渡る。

橋を渡る手前、大田区側の方は少しだけ街路樹が立ち並ぶエリアがあって、それが何とも中途半端な長さなので、不思議な空間だなあと思っていた。

どうやらcanonの本社があって、その一角だけ街路樹が並んでいるらしい。

なかなか味のある街灯。
柱はかなり明るめの銀色で、かさの部分は白。
白い街灯というのは意外と珍しい。

少し年季が入っているが、全体的に明るい白がベースになっていて、デザインにも気品がある。

色合いやデザインから鑑みるに、白金台辺りの街灯にしたら地名とも相まって大変よろしいのではございませんこと?などと夢想する。

変わったデザインのガードレール。
魚が川を泳いでいるように見えるが、右は鳥に見える。

鳥は泳ぐのだろうか。
もし鳥も泳いでいるとしたら、魚が鳥を追い回しているようにも見える。

そんな精神的にざわつくようなものをガードレールにする訳がないので、くだらない言い掛かりはやめましょう。

創作活動を続けることが至上命題であるなら、作家は自分を甘やかしてくれる人だけを相手にすればいいと思う。
逆に言うと、厳しいことを言う人は相手にすべきではないとさえ思う。

厳しいことを言われて、反骨精神でいい作品ができることもあるかもしれないが、ずっと続けると折れてしまう気がする。

ちなみに、ここでいう「甘やかす」とは「作品を褒めてくれる」くらいの意味です。

今日は作品をたくさん褒めてくれて私は幸せでした。

作品というのは、出来上がった瞬間に「とんでもないもんを作っちまった!ワイはコイツで天下を取ったるでぇ!!」となる訳ではない。
「うーん、どうなのかなあ…」とそろ~っと個展やらSNSやらで出し、何となく反応をうかがう。
で、「いいですね!」と褒められると、「やっぱり!?」と図に乗るのである。

これに関しては、某有名なミュージシャンも似たことを言っていたので、あながち自分だけの話ではないと思う。

今日は本当にお客さんと心が通い合う瞬間がたくさんあって、ああ個展をやってよかった。と思えるような日でした(今までもちゃんとありましたよ)。


実は今回の個展にどうしても来ていただきたい人がいた。

去年の展示の最終日、最後の最後に見に来てくれたおじいちゃんとお孫さんの二人組。
とにかく二人で作品をすごく熱心に、楽しそうに見てくださり、感激した。

去年の個展は、つらいことが色々と重なった時期でもあり、最後の最後にすべてが報われたような感じがした(もちろん、それ以外にも思い出深いお客さんがたくさんいる)。

今の難しい状況でお会いすることは叶わないかなと思いながら、ご案内の手紙を出してみたら、なんと家族総出で来て下さった。

まさか今回の展示でお会いできると思わず、泣きそうになった。ほんとに。
ああ、人間て感激すると本当に涙が出そうになるんだなあと間抜けなことを考えたりした。

しかも、原画まで買っていただいた。

今日のことは忘れないと思う。

絵を描くのをやめたくなった時、何となく妥協してしまいそうになった時、そっと思い出して前に進む力をもらうような、大切な経験になった。

面白い模様の何か。

ハッピーだったので、調子に乗ってソフトクリームを食べました。

来週でいよいよ最後です。よろしくお願いします。

outa.waruagaki
都内在住。2016年2月までタイに2年半在住。絵を描いたり、街灯のことを書いたり、散歩したり。

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