個展最終日

個展最終日は11日目だが、10日目はブログがエラーになってアクセスできなかった。



10日目のことをさらっと書く。

何となく個展の目標にしていたものは、おおかた達成できたので10日目と最終日は非常に穏やかな心境だった。

縁側に座ってほうじ茶をすすり、しわしわと笑っているおじいちゃんのような心持ちでお客さんをお迎えした。

と言いつつ、ありがたいことに、駆け込みで見に来てくれる方がかなりいて、割りと忙しかったりもした。

10日目は、家に持って帰った作業道具をCOYAMAさんへ持っていくのを忘れ、ヨーカドーに買い出しに行っては帰りに迷子になるなど、終始アホ丸出しの一日でした。

最終日。

大変おいしかった、黒糖アイス抹茶ラテと限定メニューのレモンケーキも食べ納めである。

黒糖アイス抹茶ラテは、COYAMAさんへ行けばまた飲めるが、レモンケーキは限定メニューなので泣いても笑っても最後である。

しかし黒糖アイス抹茶ラテだって、ギャラリーに座って作品や好きな本に囲まれた空間で食べるのはやっぱり最後だったりして、寂しい感じがする。

お客さんの数は、今日がダントツで多かった。
最終日ということで、駆け込みで入ってきてくれる方が15時くらいから一気に増えた印象だった。

さすがに11日目ともなると持ち前の人見知りはやや鳴りを潜め、「お近くにお住まいですか~?」や「お店の告知で見に来てくれたんですか~?」など、するっと話しかけるスキルを習得した。

最後のお客さんには「四畳半神話大系」を薦め、熱心に読んでくれたりした。

展示が終わって、初めてギャラリースペースのドアを閉めた。
おお、何かそれっぽいぞ!インスタ映え!

木目がなんとなく、生き物の頭のようにも見えるし、鳩サブレのようにも見える。
この期に及んで、まだこんなことをやっている。

照明を落とした状態のギャラリー。

これがもう何というか、大変すばらしい。
もちろん、照明がちゃんと当たっている状態が本来の状態であるし、その状態を知った上だからこそよく見えるのだと思う。

例えば、朝起きて電気をつける前の薄暗い状態で、無造作に置かれている描きかけの作品を見る。
そうすると、想定していた見え方と少し違って見えたりして、独特の魅力がある。
そういうのに似ているかもしれない。

見えづらい部分をイメージで補おうとした結果、想像力がはたらき思いがけないアイディアが浮かんできたりする。

最後の最後、ギャラリーを出ようとするタイミングで窓の外に蛾が飛んできた。
「四畳半神話大系」は、蛾の出現が物語が進行する上での重要なカギになっているので、勝手に妙な縁を感じた(さすがに写真は撮らなかった)。

ということで、無事に個展が終わりました。

ご来場してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

前回の個展からのつながりで家族総出で見に来て下さった方、だんなさんを連れてリピートしてくださった方、ポストカードが品切れで何度も足を運んでくださった方、お世話になっている古本屋さん、熱心に宣伝をして下さったコーヒー屋さん、今回も素敵な額装をしてくれた画材屋さんなどなど、印象深い方々がたくさんです。ありがとうございました。

そして、4週間お世話になったCOYAMAさん。
COYAMAさんは、いつも誠実な対応をしてくださいました。

今回の展示は、会場がブックカフェで本に囲まれていたこともあり、インプットがすごく充実していたと思う。そして制作過程も含め、古本との距離がぐっと縮まった気がする。

去年の初個展が終わった後「もう個展なんかしばらくやらんぞ!」と思った(初個展にしてはまあまあ成功だったと思う)が、今回はすぐにでもやりたい。この差はなんだろう。謎である。

ただ、何かを考えようにも頭が上手く回らず、謎のやり切った感がある。
やりたいこと、試したいことはたくさんできた。

いつも思うが、創作活動を続けつつ、健全なメンタルを保ちつつ、しかもいい作品を作ることは案外難しい。

色々な人が色々なこと(善意悪意問わず)を言うので、とにかく自分のこと(または作品)を大切にしてくれる人の意見だけを聞いて、生まれたての柴犬のごとく存分に甘やかされることが非常に大切だと思う。
その代わり、そういう人たちに対して顔向けできないようなことはしないという点に尽きるのではないかという気がする。


最後に、丸子橋から見た風景。

丸子橋は本当にスケールが大きくて、大好きになってしまった。
渡り切った大田区側の岸に神社があり、なんとそこは古墳の上が神社になっているらしい。

新丸子はすごく面白いところだった。ここは絶対、あとで散歩に来よう。

武蔵小杉は、急に発展した街というのが分かりやすく伝わり、駅前には大型のショッピングモールがいくつもあって、少し離れると素朴な住宅街というのが面白かった。
勢いがあって少し作り物っぽい感じが、バンコクを思い出して懐かしくなった。

向河原は素朴な下町という印象。隣の平間駅も自転車で通ったが、なかなかディープな匂いがした。

何か言い残したことはないだろうか。多分、あるはず。

まあいいや。気が向いたらまた更新します。

4週間、このとりとめもない文章に付き合っていただき、ありがとうございました。

outa.waruagaki
都内在住。2016年2月までタイに2年半在住。絵を描いたり、街灯のことを書いたり、散歩したり。

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