個展3日目

二度寝をした。

午前中に眼科へ行くつもりだったが、あえなく延期になりました。
まあそれだけ身体が疲れていたんだなとポジティブに解釈することにした。

今日はいくらか涼しい。
昨日の夜の予報だと、「雨ときどき止む」という地獄のような天気だったが、二度寝から醒めると案外晴れていた。

今日は電車でCOYAMAさんまで向かうことにした。

入道雲らしきものが少しだけ出ている。
しかし、日曜日の入道雲と比べると何とも頼りない。が、送電線があると、何となく夏っぽさがプラスされる。

COYAMAさんに着くと、ついさっきまでお客さんが来てくれていたらしい。
ありがたいことに、コメントを書き残してくれていた。申し訳ないことをした。

ギャラリーで作業をしていると、雨が降ってきた。
最初は気が付かなかったが、段々と雨脚が強まってきて、もの凄い雨になった。
雨が降るたびに夏が遠ざかり、涼しくなってくる感じがして寂しい。

去年は、9月の中頃か終わり頃にとんでもない夕立がきたことがあり、職場から帰る途中で降られてえらい目にあった。あまりにも凄すぎて一人で笑ってしまった。
そのあとは極端に暑くなる日がなくなって、ああ、あの雨で夏が終わったんだなあという感じがした。

ふと外をのぞいたら、窓に自分の作品が映っていた。
この写真は、ガラスの模様とうまくマッチして、幻想的で結構気に入っている。

今日は平日で天気もあまりよくないので、ギャラリーは緩やかな時間が流れる。
作業がよくはかどった。今まで観察してきた街灯の色や形などを入力して、どういうものが多いのか集計してみた。
数字にして見ると、意外な思い込みなどが取れて面白い。

やってみた人なら分かると思うが、個展というのは案外孤独である。
客足の絶えない爆裂人気作家ならともかく、お客さんがいない間は基本的にはひとりだ。

去年の個展は隣にお店があったものの完全に分かれていたので、正に「孤展」といった感じだった。
中学来の友人が来てくれて、一緒に話したり、ふざけたり、1時間くらいいてくれて、とても心強かったのを覚えている。

その点、COYAMAさんは入り口がブックカフェとつながっているので、特に何をする訳でもないが、いくぶんか心強い。

途中でまた少し外に出る。
老舗の風格が漂うパン屋さんに再び行ってみる。カレーパンが1番人気ということでひそかに狙っていたのが、今回も売り切れだった。
パンに囲まれたなか、竜田揚げがぽつんと置かれていたので買ってみる。

わたたに
平仮名にするとめちゃくちゃかわいい。

ところで、ポストカードの売れ行きから察するに、「回遊」という作品が好評らしい。

※この作品はSNSで過去に載せたことがあるため、隠す必要はないという判断で載せています。

「回遊」は描くのにとても疲れる作品だった。

最近は、「どうやったら疲れずに描けるか」が割りとホットなテーマだったりするので、疲れながら描いた作品を評価していただくのは嬉しい反面、悩ましいところでもある。
疲れることから逃れるべく描いた作品では、まだパワー不足だという結果なのかもしれない。

一昨年辺りから、もうこの描き方は限界だ。これ以上は描けない→新しい方法(無理せずに描ける方法)→もう限界だ→新しい方法を繰り返している気がする。

大体、なぜ疲れてはいけないのか。甘ったれるな、ちゃんと描けという話かもしれない。
が、本来は癒されるために絵を描いているので、ここで無理をしてしまうと筆を折るところまで行きかねない。案外、本質にかかわる問題なのである。
描くことで神経をすり減らせてしまうのは、あまりにもあべこべではないかという話だ。

疲労の原因を突き詰めていくと、結局のところ背景を描くのがしんどいという点に集約される。

それならば、背景を描かなければいいのでは。もしくは、作品全体を小さくして背景の面積を減らせばいいのでは。というのが最近の(シンプルな)仮説で、これは「ラストダンス」という最新作で試してみた。

一方で、絵本に対するあこがれが段々と強くなっている。
絵本の方へ傾倒するなら、背景ともうまく付き合っていかないといけないなあとも思う。

個展は、自分自身の作品を客観的に見られる機会でもある。まあ少しずつ考えて行こうかなと思う。

帰りに外に出ると、半袖でいるのが不安になるような涼しさを感じた。
夏が終わってしまうのはやっぱり悲しい。

outa.waruagaki
都内在住。2016年2月までタイに2年半在住。絵を描いたり、街灯のことを書いたり、散歩したり。

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