どうも進まない。
何か原因がありそうなので、少し立ち止まって考える。
「好きで絵を描いているのだから、塗り過ぎなかったり、はみ出したりしてもあまり気にせず、心が軽くなるようなものを描きたいと思っていた。
14日の日記で書いたことである。これが当初やりたいことだったはず。
もう少し実際のプロセスに落とし込んで考えてみると、「余白や画材の種類にこだわらない、背景も長方形である必要はない、偶発性すらも絵のなかに取り込んだ、できるだけ制限のない絵。何でもありで、自由な絵を描きたい」ということかもしれない。
目の前にある描きかけの絵たちを眺める。
どうもこのやり方と相性がよくない気がしてきた。
いま描こうとしている絵は、どちらかというと、設計図のような下描きを、イメージ通りに仕上げていくことに注力することになるはず。
だから、出発点である形に関しては自由かもしれないが、それ以降はむしろ制限通りに進めていくことが重要視されているのではないか。
「こういう描き方をしたい」と思った方向と、割りと反対である。
もう一つ懸念がある。
画材の種類にこだわらないというのは、コピックをメインに使っていた昔の描き方や、水彩絵の具を絵の中に取り入れたい、という思いがある。
とはいえ、昔の描き方を忘れている。水彩絵の具に至っては使い方がまだよく分からない。
この状態で無理やり描き進めていても、失敗するに違いない。
ということで、先ずは練習用の絵を1枚別に描いてみることにした。
ここにタコの絵がある。
少し前に描いてみて、良さそうだったのでストックしてあったもの。
コピックで細かく塗るにはちょうど良さそうだし、水彩で面的に描いてみたいところも浮かんでいる。これを練習台にしようと思う。
下描きを少し修正する。
足が窮屈だったので、紙を足して伸ばす。バレリーナのよう。
形をトレースして色を塗る。
コピックの匂いが懐かしい。
タイで働いていたころ、仕事終わりにアパートの机で絵を描いていた時を思い出す。
色のイメージは合っていて、しばらくはこのまま進めていけそう。
今日はここまで。